令和6事務年度監査事務所等モニタリング基本計画」の策定について
「令和6事務年度監査事務所等モニタリング基本計画」を公表。(注)令和6事務年度とは、令和6年7月からの1年間をいう。
○中小規模監査事務所における課題
① 経営層が、法人全体における監査の品質の向上に向けたリーダーシップを十分に発揮していない。
② 経営層が、現行の監査の基準が求めている品質管理及び監査手続の水準の理解不足が監査実施者に生じている状況を把握していない。
③ 品質管理レビュー等での指摘事項に対して、同種の不備の発生を防止するための深度ある原因分析の水準を理解していない。
④ 職業的専門家としての誠実性・信用保持の重要性に対する認識が欠如している(検査実施通知後の監査調書の差替え等)。
⑤ 法人全体における監査の品質を批判的に検討する姿勢が不足している(他の社員が実施した個別監査業務の品質を批判的に検討する意識の不足等)ほか、職業的懐疑心を発揮して、経営者の主張を批判的に検討する意識が不足している。
⑥ 監査リスクに対応した十分かつ適切な監査証拠を入手したかを慎重に見極める意識が不足している。
○個別監査業務における課題
監査事務所の規模を問わず、会計上の見積りに係る監査及び不正リスクに対応した監査(収益認識における不正リスクの識別と評価、不正リスクへの対応を含む。)に関する不備が継続的に認められるほか、監査上の主要な検討事項(KAM)に係る手続や財務諸表の注記等の記載内容に係る手続においても不備が認められる。